2007年6月11日月曜日

道教大改革思いつづる 8月退任の村山学長が本出版

 全国最大規模を誇る教育大学のキャンパス再編に大なたを振るった道教大の村山紀昭学長(64)が、八月の退任を前に学長在任の八年間を振り返る本を札幌の出版社・柏艪舎から出版した。一九九九年の学長就任以来、大学法人化を含めた改革の先頭に立ち、時には「強引」と学内の批判を浴びながらも行財政改革を錦の御旗に圧力をかけてきた国と対峙(たいじ)した思いを盛り込んでいる。
 本のタイトルは「北の教育と人づくりを求めて」。北海道の教育と人づくり、大学改革、教師教育の提言など五章で構成。任期中に行った学外有識者との対談や、国際シンポジウムでの講演、新聞・雑誌掲載のインタビュー記事などを採録した。
 高向巌北洋銀行会長との対談では、法人化後に目の当たりにした国の運営費交付金に頼らざるを得ない大学の財政基盤の弱さについて述べ、カリキュラムの改革については学生の実践力を磨く現場実習を大幅に増やしたことを紹介。道内五カ所のキャンパス再編は、同じようなキャンパスを並立させるのではなく、札幌校は小学校教員、旭川校は中学校教員を重点に育成するといったキャンパスの特色を打ち出し、それに合わせた教授陣で固めたと説明している。
 出版に踏み切ったのは、「大学が改革に努力していることを広く知ってもらうため」と強調。学長に就任した九九年当時は、国立大学法人化の動きが本格化した時期。村山学長は、学長素案を示すなど再編に積極的に取り組んだため学内から「性急」と強い批判を浴びつつも、トップダウンで進めた。「改革を率先することで、国から『非効率』として批判が大きかった五つのキャンパスすべてを、結果として存続できた」と話している。
 四六判。三百十ページ。千八百九十円。全国の主要書店で扱っている。

(北海道新聞より引用)

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