2008年6月2日月曜日

北海道最古のライラックの子孫、秋にも函館公園に里帰り 道立工業技術センター(06/02 14:14)

明治期の駐函館英領事リチャード・ユースデン夫妻が1879年(明治12年)、函館公園に植え、その後枯れた北海道最古のライラックの子孫が、今年も移植先の道立工業技術センター(函館市桔梗町)でピンクの花を咲かせた。この子孫は弱ってきていたが、今年の場合、根本から発生した苗木であるひこばえが初めて元気に花を付けたことから、公園を管理する市は2009年の開園130周年に向け、この苗木を公園に里帰りさせる考えだ。
 ユースデン夫妻は、ライラックと西洋クルミの苗を英国から取り寄せ、公園の開園式で記念植樹した。札幌にライラックが植えられる十一年前だった。公園には今も西洋クルミが残っているが、ライラックは一九五四年の洞爺丸台風で枯れた。
 今年も花を咲かせたのは、もともと市内在住の三島清吉・北大名誉教授(84)の義父の故三島義堅(ぎけん)さんが一九三二年に、公園から苗木をもらい受け、親子二代で自宅の庭で育ててきたライラック。庭では狭くなったため八七年に清吉さんが「守り育ててほしい」と同センターに移植したが、〇四年には瀕死(ひんし)の状態になった。そこで、樹木医の斎藤晶さん(74)=函館市在住=らの治療で復活し、〇五年に根本から発生したひこばえとともに今月十日、見事な花を付けた。
 同センターの米田(まいた)義昭センター長(71)は「ライラックを後世に残すには分散した方がいい」と一部を公園に帰すことを計画。公園を管理する函館市土木部は樹木医らと協議し、今年十月にも移す考えだ。三島さんは「ユースデンのライラックが公園でよみがえり、再び市民に親しんでもらえれば」と期待している。(久保吉史)

北海道新聞より引用

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