2008年6月16日月曜日

サミットの森 美幌で始動 東京の大学NPOと協定(06/14 14:10)

町は、二酸化炭素(CO2)の排出を植林などで相殺しようというカーボンオフセットの取り組みに乗り出す。本年度は東京の大学と連携して、学園祭で出たCO2相当分を町有林に植林する。
 札幌のNPO法人コンベンション札幌ネットワークが行う「サミットの森」事業の一環で、町と同法人、武蔵工業大学園祭実行委員会の三者が協定。実行委が費用を負担し、町が植林する。
 五月三十一日-六月一日の学園祭で使用した電力や上下水道、ペットボトルなどの廃棄物処理や来場者の電車利用で排出されるCO2を約二十五トンと計算。このCO2を二十年かけて吸収すると試算し、今秋、それに相当する町豊富の町有林三十三アールにCO2の吸収量が高いとされるカラマツ六百六十七本を植える。
 間伐や野ネズミ防除など二十年間の管理費用を含めた経費については、約七割を造林事業への国と道の補助金でまかない、残りの約三割は実行委が参加者から募った二十七万円をあてる。成長した木は町の所有となる。
 このほか、町は七月に開かれる美幌観光和牛まつりでも排出されるCO2の量を計算し、会場に募金箱を置いて町民に参加を呼び掛けることも検討している。
 植林する町有林は、森林環境保全を目指す国際組織、森林管理者協議会(FSC、本部・ドイツ)の認証を受けた認証林。町は「森林認証を軸に、今後も環境に優しい取り組みを進めたい」としている。(佐藤仁)

北海道新聞より引用

2008年6月2日月曜日

北海道最古のライラックの子孫、秋にも函館公園に里帰り 道立工業技術センター(06/02 14:14)

明治期の駐函館英領事リチャード・ユースデン夫妻が1879年(明治12年)、函館公園に植え、その後枯れた北海道最古のライラックの子孫が、今年も移植先の道立工業技術センター(函館市桔梗町)でピンクの花を咲かせた。この子孫は弱ってきていたが、今年の場合、根本から発生した苗木であるひこばえが初めて元気に花を付けたことから、公園を管理する市は2009年の開園130周年に向け、この苗木を公園に里帰りさせる考えだ。
 ユースデン夫妻は、ライラックと西洋クルミの苗を英国から取り寄せ、公園の開園式で記念植樹した。札幌にライラックが植えられる十一年前だった。公園には今も西洋クルミが残っているが、ライラックは一九五四年の洞爺丸台風で枯れた。
 今年も花を咲かせたのは、もともと市内在住の三島清吉・北大名誉教授(84)の義父の故三島義堅(ぎけん)さんが一九三二年に、公園から苗木をもらい受け、親子二代で自宅の庭で育ててきたライラック。庭では狭くなったため八七年に清吉さんが「守り育ててほしい」と同センターに移植したが、〇四年には瀕死(ひんし)の状態になった。そこで、樹木医の斎藤晶さん(74)=函館市在住=らの治療で復活し、〇五年に根本から発生したひこばえとともに今月十日、見事な花を付けた。
 同センターの米田(まいた)義昭センター長(71)は「ライラックを後世に残すには分散した方がいい」と一部を公園に帰すことを計画。公園を管理する函館市土木部は樹木医らと協議し、今年十月にも移す考えだ。三島さんは「ユースデンのライラックが公園でよみがえり、再び市民に親しんでもらえれば」と期待している。(久保吉史)

北海道新聞より引用